闇に馨る
手に入れる物は沢山
あれもこれも 欲しいものは総て
手に入れたら部屋の隅に積んで 玩具の山を築く
物事は常に悪い方に考えるようにしていた
そうすれば、本当に悪い結果だったとしても辛くない
友達も多くは作らない
多分この先 私達は二度と会うことはないだろうから
大切なモノを増やさない
失う痛みを 廃棄する虚しさを覚えたくはない
その為だけに努力した
私は酷く臆病で醜い
月明かりが照らしだす闇夜が好きだった
静寂を好んだ
孤独を愛した
積み上げた玩具は みな灰になって消えるだろう
築き上げたものは 最初から棄てられる運命にある物達ばかりなのだから
孤独を埋めるための道具は 手に入れた瞬間
その役割を終えるのだから
故に 残るものは少ないだろう
けれどその弱さこそを 私は愛した