径庭

いらない
月光の髪も
蒼穹の睛も
象牙の肌も

いらない
真珠の歯も
桜貝の爪も
珊瑚の唇も

わたしと貴方を隔てる
花に似た痣も
いらない
いらない
いらない

欲しくはなかった
それがどれ程誉れであっても
わたしはみんなと同じで良い
同じが良い


同じであれば、良かったのに