哀しみは胸の奥で
貴方の姿が目の前にある
貴方の声が耳元で甘く響く
抱きしめれば温かい
確かに、存在していた
これは幻?
それとも夢?
はっきりとは判らない
ただそこに貴方がいるという事実
それだけを、わたしは素直に抱きしめた
熱に浮かされた、曖昧な意識を保ったまま
これは夢?
それとも幻?
判らない
もういないはずの貴方
屹度、これは熱が見せた幻
そんなことは判ってる
だから、これは熱に理性を奪われた、かりそめの涙
そう
熱のせいで弱くなった心が流させた涙
貴方がいない事を哀しんだ訳じゃない
貴方が夢に出てきて、切なくなった訳じゃない