端境の記憶

昔の事は思い出したくない
ぼんやりと中空を眺めると
まるでフィルムのように
溢れ返る記憶
喩えそれがどれ程小さな欠片だったとしても
嘆く必要のない記憶でも
酷く嫌な苦味を伴って

断片は過ぎ去ったモノを追い立てる

鎖された扉を無理矢理に抉じ開けて
記憶を突きつけるのだ
逃れ様のない輪廻の渦に取り込まれてしまう

嗚呼
過去の自分が嗤ってる