楽園の果実
Paradise Regained

熱い肉体をすべりおちる それは涙の雫のように
酷く醜いこの感情が 緩やかに

清水に一滴インクを垂らすように
緩やかに崩れ 尾を引く黒い闇が

とけるように
しみいるように
みたすように
ながれるように

終わりの始まりを告げる



まるで鉛のように重苦しいこの感情が
身体を支配し 狂気に導くように


緩やかに 滑る様に
心躍るそれは 薔薇の棘よりも鋭い

魅惑に満ちた
愉悦を含んだ
罪を孕んだ

愛する者を この手で引き裂く音に似ている



人の道に外れたこの行いを この想いを
誰が――外ならぬアナタが
共に 何処までも堕ちていこうと

三日月のように紅い唇を割って 裂いて
紡いだ 言の葉



行き着く先は 奈落か涯か
答えすらも 必要のない




そこは屹度 二人のエデン